2013/10

24

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老子|何の解決にもなっていない!?


情報化・グローバル化が進んだ現代では、働く人々は激しい競争にさらされています。いかに効率的に働いて、いかに大きな成果を得るが重要になり、その方法を解説した本もよく見かけます。一方で、人間にとって何が大切であるかという価値観そのものが変化している時代でもあります。それは、働く人のマインドに影響するだけでなく、エコが重要なセールスポイントとなるように消費者のマインドにも影響を与えるようになってきました。昔と同じものを売っていても売れない時代ですから、人間にとって本当に価値のあるものは何かを考えることがビジネスにとっても重要になってきています。しかし、そのようなことを書いた本は難しいというイメージが強く、私もなかなか本格的な本には手が出ません。

そこで私がよく見るのは、NHK番組『100分 de 名著』(番組のHP→)です。この番組は別のミニコラム『「100分 de 名著」で世界を広げる』でもご紹介しましたが、25分×4回=100分で名著の「核」を紹介しようという番組です。全く知らない初心者やちょっとだけは知っている準初心者向けの入門編と言えるもので、文学作品から宗教や哲学など色々な分野の本を解説しています。特に宗教や哲学の名著に関しては、出来るだけわかりやすく、しかし「核」についてはそこそこの切り込みがあるので、つぼにはまると見ごたえがあります。

最近の放送で、私のつぼにはまったのが『老子』でした。一番印象的だったのは、きたろうさん演じる老子先生が電話でお悩み相談にのっているシーンです。老子先生の回答を聞いた相談相手は「何の解決にもなっていないじゃないですか!」と怒り出します。実践的な回答を求めている相談相手に抽象的な回答をしてしまい、次元が違いすぎて相談者に受け入れられないのです。第3者の立場で見れば、悩んでいるときはもう少し大きな視野・高い視点で問題を捉えなおした方がよいと分かります。例えば、「○○できなくて悩んでいる」場合、○○できるようになる方法を考えるよりも先に、○○をすることが本当に正しくて必要なことかと考えることが大切です。しかし、問題を抱えている当人はなかなかそれに気がつかないのはよくあることで、私もよく逆切れしているかもしれないと苦笑してしまいました。

番組の内容に解説を加えたテキストも発売されています。残念ながら、老子先生のお悩み相談は掲載されていません(笑)

『老子』 2013年8月 (100分 de 名著)




番組は
  1. 「道」に従って生きよ
  2. 水のように生きる → 理想は「戦わずして勝つこと」
  3. 人を生かす知恵 → 民の自主性を尊重せよ
  4. 満ち足りた人生とは
と4回に分けて放送されました。

正直、老子の思想の根幹である「道(TAO)」についてはまだよく分かりません。また、老子の思想は極端なので、本当にそれが実現できるとも思えません。しかし、物事はプラスとマイナス2つの価値がちょうどよいバランスを保ったときに一番よい状態になるように思います。例えば、団結が強すぎる組織だと改革が阻害され、団結が弱すぎるとバラバラで充分力が発揮されませんが、メンバーがちゃんとつながりながらも流動性のある組織ならば継続的に発展できるなどです。現代社会の対極にあるような老子の思想は、バランスを取るための大切な軸を与えてくれるかもしれません。実際、「戦わずして勝つこと」が理想という話はwin-winの関係の構築に、民の自主性を尊重せよという話は部下を育てる際の心構えに、というように現代に通じるものを感じました。

近代化は西洋世界がリードしてきましたが、ここに来て行き詰まりが見られるようになってきました。今までのやり方を全て捨て去るわけには行きませんが、新しい視点が必要になってきています。スティーブ・ジョブズが禅に傾倒していたことは有名ですが、東洋的な視点には何かヒントになるものがあるかもしれません。東洋で一番近代化に成功している日本にいるビジネスパーソンは、西洋と東洋どちらも理解しやすいという点で非常に恵まれた立場にあると言えます。そのアドバンテージを有効に活用しないのはもったいない。『100分 de 名著』のテキストには東洋思想を解説した本がいくつもあります。別のミニコラム『「100分 de 名著」で世界を広げる』でもご紹介した「ブッタ 真理のことば」「孔子 論語」もそうですし、「般若心教」も放送されたことがあります。気になるものからチェックしてみてはいかがでしょうか。

『般若心経』 2013年1月 (100分 de 名著)




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タグ: 仕事 働く女性 ビジネススキル

2013/09

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相場格言をビジネスに生かす


みなさんは「相場格言」をご存知でしょうか。株取引などの相場に関する教訓ですが、お金に関することは人間の本質が極端な形で出やすいからでしょうか、相場以外にも当てはまると思います。そこで今回は、ビジネスや日々の生活でも役に立ちそうな相場格言を3つご紹介します。

1.頭と尻尾はくれてやれ

「頭」は天井(最高値)、「尻尾」は大底(最安値)のことです。投資は大底で買って天井で売るのが一番儲かりますが、それはほとんど不可能です(例えば、株式投資をされない方は、日経平均株価の推移予測をしてみれば分かるでしょう)。そのような確率の低いことに執着していては、魚全体を逃すことにもなりかねません。この言葉は、頭と尻尾(些細な利益)に捉われずに、腹(大きな利益)を確実に得ることが大切という教えです。

この教えは、完璧主義の人には特に有用ではないでしょうか。100点満点を目指す向上心はとても大切ですが、ビジネスでは期限や優先度という別のファクターもあり、全てのバランスを取る必要があります。つまり「何を取る(やる)か」と同じように「何を捨てる(やらない)か」も非常に大切なことなのです。完璧主義の人は、この「捨てる」という意識が低いために仕事を必要以上に増やしてしまうことがあります。「くれてやれ」は少し品のない言い方かもしれませんが、そのような一歩引く余裕を持つことが必要ではないでしょうか。

2.見切り千両

買った株が期待に反して値下がりしたとき、株価が戻ることを期待してそのまま持ち続けると、結局はひどく下がったところで売るしかなくなることが多くあります。許容範囲内の損失に留まるうちに見切りをつけられれば、許容できないような大損をしないので千金の価値があるという教えです。

一度始めてしまうとなかなか途中でやめられない、というのはビジネスの世界でもよくあることです。既にこれだけのヒト・モノ・カネを注ぎ込んでいるので途中で止める訳にはいかない、という話はあちこちでよく聞きます。そのようにして続けても、結局は傷口が広がってより悪い結果に終わることがほとんどです。最悪の場合、事業の継続が不可能になることもあります。株式投資の世界では、ここまで値段が下がったら必ず売るという許容範囲を事前に決めておき、そうなったら感情に流されず機械的に売ることが投資を続けるためには必要という考え方があります。ビジネスの世界では、例えばスケジュール作成時に「ここまでにこれだけ終わらなければ、このような対応をする」と決めておくことも一つの対策になるのではないでしょうか。

3.人の行く裏に道あり花の山

利益を得るためには、他の市場参加者と逆の行動をとったり、注目を集めていないことに注目したりすべきという教えです。

人の行かない所に行きなさいという視点は、ブルーオーシャン戦略に通じるものがあります(ブルーオーシャン戦略の概略は別のミニコラム「ブルーオーシャン戦略」で言及しています)。今までの日本のビジネスでは、日本人の「和を以て貴しとなす」精神が有用でしたが、これからはいかに「人と違う」かも重要になってくるでしょう。独自の価値がなければ、価格競争に飲み込まれてしまうからです。人と同じことに安心してしまいがちな日本人は、この言葉を時々唱えてみるのもよいでしょう。


以上、ビジネスでも日常生活でも役に立ちそうな3つの相場格言をご紹介しました。相場格言は人間の弱いところを突いていますので、相場以外でも成り立つものです。日本証券業協会の相場格言集をはじめ、相場格言をまとめて紹介するサイトもいくつかありますので、人間観察の一貫としてチェックしてみてはいかがでしょうか。

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タグ: 仕事 金言 キャリア

2012/10

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「100分 de 名著」で世界を広げる


なにもかもがスピードアップして忙しくなり、じっくりと立ち止まって考えることが難しい時代になってきました。忙しさの中で、目的と手段の違いが分からなくなり、ふと自分は何のためにがんばっているのか、と思ったりもします。新しさが求められる現代ですが、こういう時こそ名著といわれる古典の出番ではないでしょうか。時代が変わったとはいえ、物事の本質・人間の本質はさほど変わっていないでしょう。名著といわれるものには、時の試練を生き残るだけの何かがあるはずです。

しかし忙しい日常生活の中で、名著をじっくり読むのは難しいものです。仕事に直結する本を読まなければならないことも多いですし、なにより名著は難しいイメージが強いので二の足を踏んでしまいます。そこで私が良く見ているのが「100分 de 名著」というテレビ番組です(番組HP→)。この番組は、週1回25分の放送×4回=合計100分で名著を解説しています。限られた時間ですのであまり深みはないですが、名著の根幹部分は分かります。その情報から、今の自分に必要な本であるかどうかを判断して、必要に応じ原典を読んでみるという使い方をしています。

また、番組を見ていない人でも分かるような形で、さらに番組になかった情報を付加してまとめられたテキストもあります。NHKの語学テキストと同じような装丁(表紙は厚い紙)なので価格がとても安く、入門書としては手軽だとおもいます。テレビ番組は見ずに、最初からテキストだけ読むという方法でも充分だと思います。私も、この番組に気がつく前に放送されたシリーズで再放送されていないものは、テキストだけ読んでいます。

タイトルを聞いただけでは興味のわかない名著もありますが、それも出来るだけ見るか読むようにしています。例えば、私は「儒教的」な思想に馴染めないのですが、「論語」のシリーズも読みました(放送済みだったので)。すると、論語は原文より後からつけられた注のほうがだんぜん多く、「儒教的解釈」は孔子のもとの意味を離れて支配者の都合のいいものになっている、という解説がありました。また、仏教といえば念仏というイメージがあったのですが、ブッタの「真理のことば」のシリーズでは、ブッタの教えは、念仏を称えれば救われるというような誰かに救いを求めるものではなく、自分の道は自分で開けという厳しい教えだとの解説もありました。このように、間違った先入観で避けていたものの本当の姿を思いがけず知ることができるというのも、この番組の魅力です。扱う名著の時代や分野もバラエティに富んでいます。ただし、私は文学系の本は筋を追いかけてもつまらないと思うタイプなので、文学系の名著はパスしています。

現代は競争社会、格差社会だといわれますが、今より過酷な時代に、「人間とは何か」「なんのために生きているのか」を真剣に考えた人たちの言葉は、何かのヒントになるのではないでしょうか。

『ブッダ 真理のことば』 2012年3月 (NHK100分de名著)



『論語』 2011年5月 孔子は「白熱教室」の先生だ! (100分 de 名著)


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