働く女性の戦略的生活スタイル|Another You STYLE
働く女性の生活を戦略的に考え、仕事・ファッション・くらし・美容/健康・スキルアップ・食事などについて、ミニコラムとしてご提案・ご紹介してまいります。
40代になると、若いころのように無理が利かない、疲れやすくなったなど、大抵の人が体力の低下を実感し、自分も年をとったものだと感じはじめるのではないでしょうか。そんな時ふと見ると、自分以上に年をとった親の姿がありますが、「まだまだ元気」と思ってそのままにしている人も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。
しかし最近、親の病気・介護に直面する友人が増えてきました。このような友人に必ず言われるのは、「親が元気なうちに考えておいた方がいいよ」ということです。親が倒れるとスピード感を持って対処しなければならないことが多いので、あらかじめ知識をつけておいたり、基本方針を決めておいたほうが失敗が少ないというのです。特に責任あるポジションで働く女性は、急に長く休むことは難しいため、前もって備える必要性がより高いといえるでしょう。
そこで私もようやく危機感をもって、いくつかの本を読んでみました。今回のコラムでは、その中から私が役に立ちそうだと感じた本を3つご紹介します。なお、介護保険制度は何度か改正されており、今後も改正される可能性があります(現在のところ、最新の改正は2012年)。色々な情報に接する時は、いつ執筆されたものか注意する必要があります。
1.親が元気なうちにやるべきこと
私が最初に読んだのは、『親が70歳を過ぎたら読む本』でした。なかなか親の老後の問題に実感が持てなかった私も、プロローグ「もし、あなたの親に何かあったら、あなたの生活はどうなるか?」を読んで、これから来るかもしれない問題の大きさを多少なりとも感じることができました。「まだまだ」と思っている人ほど、読むことをおすすめします。本文では、親のステージ変化に伴ってした方がよいことが書かれています。
第1部 親が70歳を過ぎたら元気なうちにやること
第2部 親の身体が不自由になってきたらやること
第3部 親の判断能力が不十分になってきたらやること
第4部 もっと根源的な「トラブル予防策」
第1部と第4部が中心なので、親が元気な人がメインターゲットで、これから起こり得る代表的な問題である「老人ホーム」「相続」「認知症」「財産管理」「終末期(尊厳死など)」の5つにどう備えるかが書かれています。読んですぐはこのような話は親には話しにくいと感じましたが、友人に「親が元気だからこそ出来る話」と言われ納得しました。友人は何の準備もしないままに親が突然倒れ、そのような状況ではますます聞きにくかったそうです。また、いきなり親が意思表示できない状態になることも考えられます。ですから、親が元気なうちにこそやっておくべきことなのです。
しかし、私の両親もそうですが、元気な親に話をしてもあまり真剣に取り合ってくれない可能性があります。全てに完全な対策はできないとしても、今後どういう問題が起こり得るかを事前に知れば心の準備が出来ますので、それだけでも有意義だと思います。
そして、自分自身が70歳になったらとあわせて考えてみるのもよいのではないでしょうか。自分が70歳になったときのことを考えると、自然にそこまでをどう生きるかを考えざるを得ません。例えば、いつまでも食事をおいしく食べたい、そのためには歯が大切なので今から歯の定期健診を欠かさないようにする、足腰が弱って寝たきりにならないように1駅歩くなどして今から足腰を鍛えておく、などです。
2.離れて暮らす親を支える
最近では働く女性が増えて親のために割ける時間が少なくなって来ていますし、住み慣れた土地を離れたくないという親も多いもの。そうなると、どうしても離れて暮らす親をどうやって支えるかが問題になるケースが多くなります。『70歳すぎた親をささえる72の方法』という本では、親と同居せずに離れたところから親を支援するための知恵や使えるサービスが紹介されています。
その内容は、親の体力がちょっと落ちてきたかしら?というレベルでの対応から本格的な遠距離介護まで含まれていますので、離れた親のことが心配な人には役に立つ情報が何かはあると思います。私もこの本を読んで、「食事宅配サービス」で1日1食はお弁当が届くように手配し、「大事な用事は書いて知らせる(FAX・メール)」ようになりました。
何より「親の介護と自分の仕事を両立させる」というスタンスで書かれているが心強いところです。現実は厳しいもので、「仕事を辞めて地元に戻り介護をするべきではないか」と真剣に考えた友人もいました。しかし、この本では親の介護より「子の生活設計」「子の健康」はもっと大切と説いています。このような考え方に反発をする方もいらっしゃるでしょうが、介護をしているとどうしても子の生活・子の健康が置き去りにされてしまいます。親がというより子自身の視野が狭くなって思いつめてしまうようです。この本の文章に接することで、狭くなった視野を広げて冷静さを取り戻す効果があると思います。
3.いよいよ介護となったら
前の2冊にも「介護」の話は出てきてそれぞれに参考になりますが、介護については整理された知識があった方がよいと思います。なぜなら、必要な介護は一人ひとり異なり、最後はケアマネージャーに情報をもらいながら本人や家族が判断することになるからです。判断するためには、(あまり深さはなくても)抜け漏れのない全体を網羅した知識が必要です。『家族のための介護入門』は新書なので読みやすく、効率的に情報が入手できます。
私がこの本を選択したもう1つの理由は、目次に『通所介護(通称 デイサービス)』『通所リハビリテーション(通称 デイケア)』などと通称が書かれていたからです。友人は、デイサービス、ショートステイ、老健など最初は意味が分からない単語が多くて困ったと言っていましたが、この本には素人に対する細かい配慮が感じられました。また全介護施設をまとめた表も載っており、このような一覧性の高い表は抜け漏れなく考えるために役にたつと思います。
ただこの本の発行は2010年と若干古いので、その点が気になる方は、ネット書店で「介護保険」というキーワードで検索すれば最新情報が記載された本が表示されるので、それらをあわせて参照するとよいと思います。ただし、介護を仕事とする人のために書かれている本が多いので、購入する前に手にとって内容を確認することをおすすめいたします。
日本人の健康寿命(自立した生活が出来る期間)は男性が約70歳、女性が約74歳で(2010年の厚生労働省統計)、平均寿命との差の男性約9年、女性約13年は日常生活に制約がある期間です。親を支援すべき期間は意外に長いといえるでしょう。責任あるポジションで働く人が、この期間ずっとメインで関わることは不可能で、すばやく支援のためのプロジェクトチームを立ち上げる必要があります(その考え方は『70歳すぎた親をささえる72の方法』にも載っています)。忙しく働く女性こそ、早めに親の老後に備えるべきなのです。
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しかし最近、親の病気・介護に直面する友人が増えてきました。このような友人に必ず言われるのは、「親が元気なうちに考えておいた方がいいよ」ということです。親が倒れるとスピード感を持って対処しなければならないことが多いので、あらかじめ知識をつけておいたり、基本方針を決めておいたほうが失敗が少ないというのです。特に責任あるポジションで働く女性は、急に長く休むことは難しいため、前もって備える必要性がより高いといえるでしょう。
そこで私もようやく危機感をもって、いくつかの本を読んでみました。今回のコラムでは、その中から私が役に立ちそうだと感じた本を3つご紹介します。なお、介護保険制度は何度か改正されており、今後も改正される可能性があります(現在のところ、最新の改正は2012年)。色々な情報に接する時は、いつ執筆されたものか注意する必要があります。
1.親が元気なうちにやるべきこと
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第1部 親が70歳を過ぎたら元気なうちにやること
第2部 親の身体が不自由になってきたらやること
第3部 親の判断能力が不十分になってきたらやること
第4部 もっと根源的な「トラブル予防策」
第1部と第4部が中心なので、親が元気な人がメインターゲットで、これから起こり得る代表的な問題である「老人ホーム」「相続」「認知症」「財産管理」「終末期(尊厳死など)」の5つにどう備えるかが書かれています。読んですぐはこのような話は親には話しにくいと感じましたが、友人に「親が元気だからこそ出来る話」と言われ納得しました。友人は何の準備もしないままに親が突然倒れ、そのような状況ではますます聞きにくかったそうです。また、いきなり親が意思表示できない状態になることも考えられます。ですから、親が元気なうちにこそやっておくべきことなのです。
しかし、私の両親もそうですが、元気な親に話をしてもあまり真剣に取り合ってくれない可能性があります。全てに完全な対策はできないとしても、今後どういう問題が起こり得るかを事前に知れば心の準備が出来ますので、それだけでも有意義だと思います。
そして、自分自身が70歳になったらとあわせて考えてみるのもよいのではないでしょうか。自分が70歳になったときのことを考えると、自然にそこまでをどう生きるかを考えざるを得ません。例えば、いつまでも食事をおいしく食べたい、そのためには歯が大切なので今から歯の定期健診を欠かさないようにする、足腰が弱って寝たきりにならないように1駅歩くなどして今から足腰を鍛えておく、などです。
2.離れて暮らす親を支える
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その内容は、親の体力がちょっと落ちてきたかしら?というレベルでの対応から本格的な遠距離介護まで含まれていますので、離れた親のことが心配な人には役に立つ情報が何かはあると思います。私もこの本を読んで、「食事宅配サービス」で1日1食はお弁当が届くように手配し、「大事な用事は書いて知らせる(FAX・メール)」ようになりました。
何より「親の介護と自分の仕事を両立させる」というスタンスで書かれているが心強いところです。現実は厳しいもので、「仕事を辞めて地元に戻り介護をするべきではないか」と真剣に考えた友人もいました。しかし、この本では親の介護より「子の生活設計」「子の健康」はもっと大切と説いています。このような考え方に反発をする方もいらっしゃるでしょうが、介護をしているとどうしても子の生活・子の健康が置き去りにされてしまいます。親がというより子自身の視野が狭くなって思いつめてしまうようです。この本の文章に接することで、狭くなった視野を広げて冷静さを取り戻す効果があると思います。
3.いよいよ介護となったら
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私がこの本を選択したもう1つの理由は、目次に『通所介護(通称 デイサービス)』『通所リハビリテーション(通称 デイケア)』などと通称が書かれていたからです。友人は、デイサービス、ショートステイ、老健など最初は意味が分からない単語が多くて困ったと言っていましたが、この本には素人に対する細かい配慮が感じられました。また全介護施設をまとめた表も載っており、このような一覧性の高い表は抜け漏れなく考えるために役にたつと思います。
ただこの本の発行は2010年と若干古いので、その点が気になる方は、ネット書店で「介護保険」というキーワードで検索すれば最新情報が記載された本が表示されるので、それらをあわせて参照するとよいと思います。ただし、介護を仕事とする人のために書かれている本が多いので、購入する前に手にとって内容を確認することをおすすめいたします。
日本人の健康寿命(自立した生活が出来る期間)は男性が約70歳、女性が約74歳で(2010年の厚生労働省統計)、平均寿命との差の男性約9年、女性約13年は日常生活に制約がある期間です。親を支援すべき期間は意外に長いといえるでしょう。責任あるポジションで働く人が、この期間ずっとメインで関わることは不可能で、すばやく支援のためのプロジェクトチームを立ち上げる必要があります(その考え方は『70歳すぎた親をささえる72の方法』にも載っています)。忙しく働く女性こそ、早めに親の老後に備えるべきなのです。
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