2013/05

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マーケティング、はじめの一歩


現代のようなモノが売れない時代には、モノを売るための戦略とマーケティングが大事だと聞きます。私も戦略についてはボチボチと勉強していますが、そろそろマーケティングも勉強しなければと思うようになりました。ちょっと調べてみると、マーケティングと言えば、「コトラー」が第一人者のようです。しかし、コトラーもドラッカーと同じようにたくさんの分厚い著書があるようですし、なにより初心者がいきなり読んでも歯が立たないでしょう。やはり初心者はコンパクトな解説本から入るのが一番と、以前買った「ブルーオーシャン戦略」と同じシリーズの解説本を読んでみました。

ポケット図解 フィリップ・コトラーの「マーケティング論」がわかる本 (Shuwasystem Business Guide Book)



やはりドラッカーと同じようにカバーする領域が多岐に渡ります。その中で私の印象に強く残った2点と、なぜコトラーのマーケティングを学ぶ必要があるのか、以上3点について私が感じたことをお話したいと思います。

1.そもそもマーケティングとは何か

この本を読む前は、そもそもマーケティングとは何であるか、つかみどころがないようなイメージでいました。
コトラーは、マーケティングを「個人やグループが価値物(製品やサービスを含む)を創造し、提供し、それを他者と自由に交換することで、ニーズやウォンツを満足させる社会的、管理的プロセス」と定義付けています。つまり、たんに製品やサービスを交換するというより、価値を交換するというのです。

それだけではピンと来ませんでしたが、その後、以下の説明がありました。
コトラーの製品に関する考え方で特徴的なのは、製品の購入を通じて、実質的なベネフィットやサービスを買っているということです。例えば、ホテルの利用者は「休憩と睡眠」を買い、ドリルの購入者は板などにあける「穴」を買っているというわけです。

なるほど、実質的なベネフィットやサービスが価値というわけですね。しかし、別の箇所では
コトラーは、経験マーケティングを重視しています。消費者は消費活動の中に「経験」の要素を求めています。(中略)
スターバックスでコーヒーを飲むのは、たんにコーヒーを飲みたいからだけではありません。その独特の雰囲気の中に身を置くことで得られる「経験」を欲しているからとも言えるでしょう。

どうやら、今までは顧客にとっての「価値」=実質的なベネフィットやサービスであったのに対し、今では経験というものが加わり範囲が広がっているようです。

最初は目に見えて分かりやすかった顧客にとっての「価値」も、今では範囲が広がり、より高度化・抽象化していると言えそうです。となると、考えるためのツール(論理的な方法)がないとそこになかなか到達できないことになります。世の中でマーケティング理論の重要性が言われるのは、このためなのだと納得しました。

2.一般化しつつも、示唆に富むコトラー

私は会社でマーケティングに関わってこなかったので、最初は知らない用語ばかりで理解できるだろうかと思いましたが、意外にすんなり入り込めました。私も消費者なのでコトラーの理論に従ったマーケティングの対象であり、そのやり方を経験済みだったからです。

例えば、最近では新規顧客の獲得コストは既存顧客の維持コストより高いことが分かり、顧客との関係性を重視し顧客のロイヤルティ(忠誠心)を高めるためのリレーションシップ・マーケティングが行われるようになりました。そこでは、スイッチングコスト(乗り換えコスト)の向上と顧客満足(CS)を重視しています。顧客のロイヤルティを向上させるための手法としてポイント制があるそうですが、私も近くのドラッグストアのポイントカードを持っているので、同じ買うならできるだけそのお店でと思いますし、ポイント5倍デーには「何か買わなくては」と思って買うべきものを絞り出し、買った後は「得をした」と満足しています。マーケティング担当者の狙い通りに動く、いいお客様です(笑)。

一方、この本でも「最近は、どの企業もポイント制などのロイヤルティ・プログラムをとり入れている。それだけでは差別化しづらい」と指摘しています。家の近所にある複数のスーパーはどこもポイントカードを導入しており、私はもはやポイントカードで行くスーパーを選んだりしません。ドラッグストアは今のところ店舗場所の関係でポイントカードの威力が生きていますが、もっと便利な場所にポイントカードのある店舗ができたら乗り換えることに躊躇しないでしょう。

ポイント制の他にも、すぐに実例を思い出すことがたくさんありました。マス・マーケティング(テレビCM、新聞広告)からターゲット・マーケティング(DM、電子メール、イベント)へのシフトは、日々送られているDMや電子メールの量で実感しています。また、顧客同士の相互影響を考慮すべきであるというところでは、商業施設で広がっている禁煙や、大人の空間を演出するところでは「小学生以下お断り」が増えたことなどを思い出しました。

このように、コトラーの提唱したかなりのことが既に一般化しており、差別化ポイントにならなくなって来ています。しかし、次の差別化ポイントもまた、コトラーのマーケット理論から生まれているようです。この本の最後の章は「社会志向のマーケティング」と題し、CSR(企業の社会的責任)を重視したマーケティングの必要性を説いていますが、この点は今まさに企業が力を入れ始めているポイントのような気がします。「環境にやさしい」「売上の何%を寄付します」とうたった商品やサービスがだんだん増えてきているからです。このことは、顧客にとっての「価値」に新たな範囲が加わり始めているともいえます。

3.コトラーのマーケティングを学ぶ必要性は何か

この本を読むまでは、正直マーケティングは専門の人がやるべきこと、あるいは専門の人しかできないと思っていました。しかし、マーケティングが顧客との「価値交換のプロセス」であるならば、会社に関わる全ての人々が知っておくべきことでしょう。会社全体で「顧客にとって価値のあること」を実現しなければ、競争の激しい現代では生き残れないからです。顧客と直に接し、顧客が求める価値とは何かを考えるためのデータを豊富に持っている現場にこそ、マーケティングの知識が必要かもしれません。

そして、1で見てきたように、顧客の求める価値は商品そのものからそれに付帯するサービス、さらには経験と、商品を中心としながらも範囲が広がって来ています。スターバックスが売っている商品はコーヒーですが、顧客がスターバックスから受け取る価値はコーヒーだけではありません。ここで注意すべきは、範囲が移るのではなく拡大しているという点で、新しい範囲だけでなく前からの範囲も大切だということになります。もはやポイント制では差別化できませんが、ポイント制がないと選択肢にも入らない可能性が高いのです。つまり、マーケティングの第一人者コトラーの理論を学ばずにいることは、武器を持たず戦いを挑むようなもので、戦う前から結果は明らかと言えます。今までマーケティングの基礎を知らずにいたことが恐ろしくなってきました(苦笑)。

今回それが少しだけ分かり、自分がどれだけ理論どおりに動いていたかも分かりました。賢い消費者になるためにも、コトラーのマーケティング理論は必要な知識だと思います。


★関連コラム
マネジメントが気になりだした人にお薦めの本
ブルー・オーシャン戦略

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タグ: 働く女性 仕事 キャリア マーケティング

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