働く女性の戦略的生活スタイル|Another You STYLE
働く女性の生活を戦略的に考え、仕事・ファッション・くらし・美容/健康・スキルアップ・食事などについて、ミニコラムとしてご提案・ご紹介してまいります。
親の老後は、アラフォー以上の働く女性にとって大きな問題ではないでしょうか。今まで親と別々に暮らして仕事中心の生活をしてきたけれど、親の体力も低下して、そろそろ今後のことを考えなければいけないと感じている方も多いかもしれません。しかし、雑誌や新聞の特集記事で取り上げられるように、「母が重い」「母がしんどい」ということもあるでしょう。それは、親の老後という新たな問題だけではなく、離れていたので真剣に向き合ってこなかった「子供を支配する親」という問題を伴っているケースが多いようです。
私の親はごく一般的な親ですが、私の友人の親は成人した娘の生き方にまで色々指図するような親です。しかし、最初のうち彼女は自分の家族が一般的だと思って、トラブルが起きるのは自分のやり方が悪いせいだと考えていました。親の考え・価値観が絶対とされる家族なので、世間には他の価値観が存在するなど想像も出来なかったそうです。一方、彼女の家族の状況を彼女から聞いていた私も、はじめのうちは自分の家族の延長で考えていて、自分の想像を超える状況だとなかなか理解できませんでした。具体的な例をいくつも聞いてやっと、これは全く次元が違う話だとようやく気がつきました。また彼女も、私の家族の様子を聞いて、世間には自分の家族とは全く違う形の家族が存在すると分かったのです。
こうした中、友人が見つけてきた本が、スーザン・フォワードの『毒になる親 一生苦しむ子供』です。

この本では、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子供の人生を支配するようになってしまう親を「毒になる親」と呼んで、「毒になる親」の特徴と「毒になる親」はなぜそのような行動をするのか、子供はどう対処すれはよいか、が書かれています。アメリカ人セラピストが書いた本なので、対処法に違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、この本は3つの点で非常に役に立ちます。
1つ目は、親の行動の何が問題であるか、なぜ問題であるかがよく分かることです。私の友人を見ても分かるように、「毒になる親」を持つ子供は、もやもやとした感情を抱えつつも、何が本当の問題なのか把握できないことが多いのです。「毒になる親」は親の問題を子供に転嫁し、感情に訴えることで子供を支配します。ですから、何が問題でそれが本当は誰の問題かをよく考えること、それも感情ではなく論理的に考えることが重要なのです。考えるための材料をこの本は提供してくれます。
2つ目は、子供が親の精神的支配から離れて本当の自分を取り戻そうとすると家族はどのような行動をとるかが記述されていることです。「毒になる親」が反発するのは容易に想像できますが、兄弟などについては頭が回らないもの。特に、普段は親のわがままにお互い困っているという兄弟の場合、自分の行動を理解してもらえると期待するかもしれません。しかし、親に精神的に支配されている兄弟は、親の立場に立った行動をするものです。家族の行動を変えることはできませんが、何が起こるか知っておくことは心の備えが出来てよいと思います。
3つ目は、自分が「毒になる親」にならないため気をつけることが記述されていることです。「毒になる親」の行動パターンは、親から子へ、子から孫へと代々伝わりやすいものです。そのため、自分が親となった時はその流れを断ち切ることが重要なのです。
多くの親は、自分のためよりも子供のために何が必要かを考えていると思います。しかし、一部には自分のために子供を利用する親がいるのも現実です。このような本を読んで、自分の親はどちらであったか、客観的に考えてみるのは誰にとっても有益なことだと思います。もし、すばらしい親だったと再認識できた場合は、世の中には自分の経験とは全く異なる家族もいるのだと知り、母に苦しむ娘たちの声が少しは理解できるようになるでしょう。残念ながら、「毒になる親」だった場合、この本は現実を認識するスタート地点になるはずです。この本に書かれた対処方法に違和感を感じたら、他の本などで自分にあった方法を探せばよいと思います。
なにより、これから親になろうと思う人には、ぜひ読んで欲しいと思います。親とは何か、愛情とは何かが逆説的に語られています。以前ご紹介した本『ケアの本質―生きることの意味』とはコインの表裏のような関係にあるので、あわせて読むと興味深いと思います。
★ 関連コラム
・ビジネスで「ケア」するということ
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私の親はごく一般的な親ですが、私の友人の親は成人した娘の生き方にまで色々指図するような親です。しかし、最初のうち彼女は自分の家族が一般的だと思って、トラブルが起きるのは自分のやり方が悪いせいだと考えていました。親の考え・価値観が絶対とされる家族なので、世間には他の価値観が存在するなど想像も出来なかったそうです。一方、彼女の家族の状況を彼女から聞いていた私も、はじめのうちは自分の家族の延長で考えていて、自分の想像を超える状況だとなかなか理解できませんでした。具体的な例をいくつも聞いてやっと、これは全く次元が違う話だとようやく気がつきました。また彼女も、私の家族の様子を聞いて、世間には自分の家族とは全く違う形の家族が存在すると分かったのです。
こうした中、友人が見つけてきた本が、スーザン・フォワードの『毒になる親 一生苦しむ子供』です。
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この本では、子供に対するネガティブな行動パターンが執拗に継続し、それが子供の人生を支配するようになってしまう親を「毒になる親」と呼んで、「毒になる親」の特徴と「毒になる親」はなぜそのような行動をするのか、子供はどう対処すれはよいか、が書かれています。アメリカ人セラピストが書いた本なので、対処法に違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、この本は3つの点で非常に役に立ちます。
1つ目は、親の行動の何が問題であるか、なぜ問題であるかがよく分かることです。私の友人を見ても分かるように、「毒になる親」を持つ子供は、もやもやとした感情を抱えつつも、何が本当の問題なのか把握できないことが多いのです。「毒になる親」は親の問題を子供に転嫁し、感情に訴えることで子供を支配します。ですから、何が問題でそれが本当は誰の問題かをよく考えること、それも感情ではなく論理的に考えることが重要なのです。考えるための材料をこの本は提供してくれます。
2つ目は、子供が親の精神的支配から離れて本当の自分を取り戻そうとすると家族はどのような行動をとるかが記述されていることです。「毒になる親」が反発するのは容易に想像できますが、兄弟などについては頭が回らないもの。特に、普段は親のわがままにお互い困っているという兄弟の場合、自分の行動を理解してもらえると期待するかもしれません。しかし、親に精神的に支配されている兄弟は、親の立場に立った行動をするものです。家族の行動を変えることはできませんが、何が起こるか知っておくことは心の備えが出来てよいと思います。
3つ目は、自分が「毒になる親」にならないため気をつけることが記述されていることです。「毒になる親」の行動パターンは、親から子へ、子から孫へと代々伝わりやすいものです。そのため、自分が親となった時はその流れを断ち切ることが重要なのです。
多くの親は、自分のためよりも子供のために何が必要かを考えていると思います。しかし、一部には自分のために子供を利用する親がいるのも現実です。このような本を読んで、自分の親はどちらであったか、客観的に考えてみるのは誰にとっても有益なことだと思います。もし、すばらしい親だったと再認識できた場合は、世の中には自分の経験とは全く異なる家族もいるのだと知り、母に苦しむ娘たちの声が少しは理解できるようになるでしょう。残念ながら、「毒になる親」だった場合、この本は現実を認識するスタート地点になるはずです。この本に書かれた対処方法に違和感を感じたら、他の本などで自分にあった方法を探せばよいと思います。
なにより、これから親になろうと思う人には、ぜひ読んで欲しいと思います。親とは何か、愛情とは何かが逆説的に語られています。以前ご紹介した本『ケアの本質―生きることの意味』とはコインの表裏のような関係にあるので、あわせて読むと興味深いと思います。
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