働く女性の戦略的生活スタイル|Another You STYLE
働く女性の生活を戦略的に考え、仕事・ファッション・くらし・美容/健康・スキルアップ・食事などについて、ミニコラムとしてご提案・ご紹介してまいります。
働く女性のみなさんは、ビジネスでどのようなバッグを使っているでしょうか。おそらくほとんどの人がショルダータイプのバッグでしょう。私もずっとショルダータイプ以外は考えたことがありませんでした。しかしスーツを着た男性を見ると、ショルダータイプの人もいますが、手提げタイプ(いわゆるブリーフケース)の人も多いのです。これはなぜでしょうか。今回は、ビジネスシーンにふさわしい女性のバッグについて考えてみたいと思います。
1.ショルダータイプと手提げタイプのメリット・デメリット
まずは、ショルダータイプと手提げタイプのメリット・デメリットを考えてみます。

このリストを見ると、ショルダータイプの圧勝のように思えます。重い荷物も持ちやすく、重心が上がるのですらっと見えるなど、女性にはメリットがいっぱいです。これは男性にとってもメリットであるはずなのに、手提げタイプを使う男性が多いのはなぜでしょうか。
それは、肩で着るスーツにとって、肩のラインが崩れるのは非常に大きなマイナスポイントだからです。シーンによっては、致命的になるかもしれません。ビジネスシーンにおける服装は、自分がどんな人間であるかのアピールとともに相手への心使いを表すものです。初対面の相手にヨレたスーツで会うことは、「あなたは私が気を使う相手ではない」と言っているようなものです。手提げタイプがスマートに見えるというより、ショルダータイプの見た目が悪すぎるというのが正しいのかもしれません。しかも肩パッドがつぶれてしまうと、バッグを肩にかけていないときでも見た目が悪くなります。
もちろん、機能性と見た目のどちらがより重要かは、ポジションや使うシーンによって異なります。現場を駆け回るときは、機能性を重視し仕事の成果を上げることに集中する。顧客のキーマンと打ち合わせするときは、機能性を犠牲にしてでも見た目を重視する。そのような使い分けもあるでしょう。女性は私がそうだったように手提げタイプのバッグを最初から除外して考える傾向にありますが、もったいないことです。特にリーダークラスの女性には、手提げタイプのバッグを忘れずに選択肢にいれることをおすすめします。
2.まずは荷物を減らす
手提げタイプのバッグにしてみたいけれど、荷物が多いので無理という人も多いかもしれません。最近はノートパソコンやタブレットを持ち歩くこともあり、ますます荷物が増えやすくなっています。
しかし、荷物が多い本当の理由が、頭の整理ができていないから、先が読めていないからということはないでしょうか。実はこれも私が経験したことです。何が重要で何が重要でないかという頭の整理が出来ていないので、仕方なく全部持っていく。打ち合わせがどのような展開になるか充分計算していないので、持って行く資料を絞り込めない。それがまわりに伝わり、まわりに「この人で大丈夫だろうか」という不安を与えたこともありました。これは、仕事をするうえでスーツの肩のラインが崩れるよりも大きな問題です。もしこのような状態なら、まずは頭を整理し、先を読む習慣をつけることが必要です。
打ち合わせがどういう展開になる(する)かを整理しても、まだ荷物が多いという人もいるでしょう。どうしても必要な物が多いこともありますが、用心深すぎるためということもあります。後者ならば、先にバッグを選び、それに入れるものを選ぶという順序で考えてみてはいかがでしょうか。優先度の高いものからバッグに入れ、入れられなかったものは、それが必要になる(今まで必要になった)確率となかった場合の影響を考えます。確率が低く影響が少ないと分かれば、持たない踏ん切りがつくのではないでしょうか。もちろん最後に、そのバッグの大きさが適切であるか評価する必要があります。
3.手提げタイプをスマートに持つには
手提げタイプのバッグは、同じ重さの荷物でもショルダータイプより重く感じます。出来るだけ、負担を感じないようにするには、以下を気をつけると良いでしょう。
・ 持ち手がなるべく短いものを選ぶ
・ 中指と薬指でバッグを引っ掛けるように持つと負担が少ない
・ バッグを持つ手を交互に入れ替える
持ち手が短いと歩いている際に体の中心から離れにくいので、持ち手が長いものより重さを感じにくくなります。また、持ち手が長いと重心が下がってバランスも悪いので、見た目の点でも短い持ち手がおすすめです。
古武術(古武道)の考え方によれば、5本の指でバッグの持ち手を握るよりも、中指と薬指を中心とした「キツネの手」にかけるように持つ方が負担が少ないそうです(古武術に学ぶ体づかい『かばんを持つ場合』)。
ショルダータイプもそうですが、一方でばかり持つと姿勢が悪くなったり肩こりがひどくなったりします。よく言われることですが、意識して持ちかえることが大切です。
以上、ビジネスシーンにふさわしいバッグについて考えてみました。私もそうでしたが、女性はショルダーバッグという選択肢しか見えていないことが多いように思います。選択肢が多いことは、選択した結果が豊かであることに繋がります。ぜひ、手提げタイプ(ブリーフバッグ)を選択肢に加えてみてください。残念ながら、女性向けのバッグ売り場にはこのタイプのビジネスで使えそうなものが少ないので、ピッタリなものを探すのは少し大変かもしれません。しかし、それは差別化ポイントになり得るということでもあります。ビジネスシーンでも、バッグの持つイメージを上手に利用してみてはいかがでしょうか。
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1.ショルダータイプと手提げタイプのメリット・デメリット
まずは、ショルダータイプと手提げタイプのメリット・デメリットを考えてみます。

このリストを見ると、ショルダータイプの圧勝のように思えます。重い荷物も持ちやすく、重心が上がるのですらっと見えるなど、女性にはメリットがいっぱいです。これは男性にとってもメリットであるはずなのに、手提げタイプを使う男性が多いのはなぜでしょうか。
それは、肩で着るスーツにとって、肩のラインが崩れるのは非常に大きなマイナスポイントだからです。シーンによっては、致命的になるかもしれません。ビジネスシーンにおける服装は、自分がどんな人間であるかのアピールとともに相手への心使いを表すものです。初対面の相手にヨレたスーツで会うことは、「あなたは私が気を使う相手ではない」と言っているようなものです。手提げタイプがスマートに見えるというより、ショルダータイプの見た目が悪すぎるというのが正しいのかもしれません。しかも肩パッドがつぶれてしまうと、バッグを肩にかけていないときでも見た目が悪くなります。
もちろん、機能性と見た目のどちらがより重要かは、ポジションや使うシーンによって異なります。現場を駆け回るときは、機能性を重視し仕事の成果を上げることに集中する。顧客のキーマンと打ち合わせするときは、機能性を犠牲にしてでも見た目を重視する。そのような使い分けもあるでしょう。女性は私がそうだったように手提げタイプのバッグを最初から除外して考える傾向にありますが、もったいないことです。特にリーダークラスの女性には、手提げタイプのバッグを忘れずに選択肢にいれることをおすすめします。
2.まずは荷物を減らす
手提げタイプのバッグにしてみたいけれど、荷物が多いので無理という人も多いかもしれません。最近はノートパソコンやタブレットを持ち歩くこともあり、ますます荷物が増えやすくなっています。

打ち合わせがどういう展開になる(する)かを整理しても、まだ荷物が多いという人もいるでしょう。どうしても必要な物が多いこともありますが、用心深すぎるためということもあります。後者ならば、先にバッグを選び、それに入れるものを選ぶという順序で考えてみてはいかがでしょうか。優先度の高いものからバッグに入れ、入れられなかったものは、それが必要になる(今まで必要になった)確率となかった場合の影響を考えます。確率が低く影響が少ないと分かれば、持たない踏ん切りがつくのではないでしょうか。もちろん最後に、そのバッグの大きさが適切であるか評価する必要があります。
3.手提げタイプをスマートに持つには
手提げタイプのバッグは、同じ重さの荷物でもショルダータイプより重く感じます。出来るだけ、負担を感じないようにするには、以下を気をつけると良いでしょう。
・ 持ち手がなるべく短いものを選ぶ
・ 中指と薬指でバッグを引っ掛けるように持つと負担が少ない
・ バッグを持つ手を交互に入れ替える
持ち手が短いと歩いている際に体の中心から離れにくいので、持ち手が長いものより重さを感じにくくなります。また、持ち手が長いと重心が下がってバランスも悪いので、見た目の点でも短い持ち手がおすすめです。
古武術(古武道)の考え方によれば、5本の指でバッグの持ち手を握るよりも、中指と薬指を中心とした「キツネの手」にかけるように持つ方が負担が少ないそうです(古武術に学ぶ体づかい『かばんを持つ場合』)。
ショルダータイプもそうですが、一方でばかり持つと姿勢が悪くなったり肩こりがひどくなったりします。よく言われることですが、意識して持ちかえることが大切です。
以上、ビジネスシーンにふさわしいバッグについて考えてみました。私もそうでしたが、女性はショルダーバッグという選択肢しか見えていないことが多いように思います。選択肢が多いことは、選択した結果が豊かであることに繋がります。ぜひ、手提げタイプ(ブリーフバッグ)を選択肢に加えてみてください。残念ながら、女性向けのバッグ売り場にはこのタイプのビジネスで使えそうなものが少ないので、ピッタリなものを探すのは少し大変かもしれません。しかし、それは差別化ポイントになり得るということでもあります。ビジネスシーンでも、バッグの持つイメージを上手に利用してみてはいかがでしょうか。

女性が働いていて一番悩むことは、「ビジネスシーンでどのようなファッションをすれば良いのか」ではないでしょうか。仕事のやり方は、経験者から学んだり雑誌や本で学ぶことができます。しかし、女性のビジネスファッションは、それが難しいケースが多いからです。
ある程度のキャリアを積むと、身近で参考になる立場の女性が少なくなってきます。しかも、女性社員の扱いに慣れていない日本の男性上司・同僚は、女性のビジネスファッションをおかしいと思っても口に出さないことが多いようです。私も、ずっと後になって元上司の本音をたまたま聞き、「その時ちゃんと言って欲しかった」と思ったことがありました。誰も何も言わないからといって、周囲がそのファッションを認めているとは限らないのです。ならば、どのように知識を習得すれば良いのでしょうか。
私も、困りながら少しずつ情報を集めました。このミニコラムでは、私がビジネスファッションを考える上で参考になった情報をご紹介いたします。
1.ビジネスとプライベートのファッションは何が違うのか
女性誌のビジネスファッションの特集を見て、「これはとても会社に着ていけない」と思ったことはありませんか。女性にとってファッションで最も大切なことは「自分をいかに魅力的に見せるか」であり、それ以外の目的を考えることは非常に難しいものです。女性誌もその視点でコーディネートを考えています。しかし、ビジネスファッションの目的はプライベートのファッションとは全く異なります。私もそうでしたが、そのことになかなか気がつかない女性は意外に多いと思います。
この本は、ビジネスファッションに止まらず、もっと広くビジネスを支配している暗黙のルールについて述べています。ビジネスは男性中心のゲームであり、女性にはなじみの薄い男性特有のルールのもとで進むので、女性はまずこのルールを理解することが重要、というのです。「男女平等」で育ってきた私には、男性特有のルールで進むということは衝撃的な指摘でした。しかし、社会の半分は男性であり、現実として男性と女性では行動の仕方が異なるのであれば、女性の行動基準だけで行動するのもおかしなことです。男性と女性は考え方で異なるところもあるということをしっかり理解し、それに応じた行動をすることは大切なことだと思います。
この本によれば、男性にとってビジネスで着る服はチームであることを示すユニフォームなのだそうです。あなたがユニフォームと思われる服装をしなければ、男性からチームの一員と見てもらえないかもしれない。ビジネスはチームゲームなのだから、そうなると不利になる、というのです。
そういうファッションはつまらないと感じる女性も多いでしょう。それに対してこの本は、「あなたのセンスとチームのユニフォーム双方を満たせるお洒落をみつけよう。」と述べています。ビジネスファッションに必要なのは、自分中心の視点と社会的視点の両方のバランスを上手く取ることなのです。そして、自分中心の視点(センス)が欠けるより社会的視点が欠けるほうが、会社での評価は低くなるケースが圧倒的に多いでしょう。このことは充分理解しておく必要があります。
2.認められるためのビジネスファッションとは
では、具体的にはどのようなビジネスファッションが良いのでしょうか。最近では女性のビジネスファッションの本も少しずつ出版されるようになりましたが、まずは出来るだけ堅実(保守的)な内容の本を読んだ方が良いと思います。男性(特にあなたを評価するポジションにいるような年齢の男性)はビジネスファッションでは堅実(保守的)を好むことが多いからです。
この本は、「スーツの基本は、色は紺とグレー、素材はウール、柄は無地かストライプ」というように、出版されている女性向けのビジネスファッションの本の中でもかなり堅い部類に入ります。
内容も、服の揃え方、このような服ならこのような印象になる、このようなシーンにはこのようなコーディネートがふさわしい、など1つ1つはそれほど深くありませんが満遍なく説明されているので、一通り基本を押さえることができます。
もちろん、ビジネスファッションがユニフォームなら、チームによって好まれるユニフォームは違います。自分のチームにあわせたアレンジは必要になりますが、カジュアルなスタイルをランクアップさせるより、堅実なスタイルを崩すほうが簡単です。その点からも、まずは堅い内容の本を読むほうが効率的だと思います。
3.ビジネスファッションに自分らしさを加えるには
ビジネスファッションにそれなりに精通してくると、自分らしいセンスを加えたくなるのは、女性も男性も同じでしょう。単にチームに加わるのではなく、「特別な」メンバーとしてチームに加わりたいという気持ちです。
男性のスーツの基本を知ることは、そのための1つの有効な方法だと思います。女性が本格的に働くようになって日が浅いため、まだ女性のビジネスファッションはルールが確立されていません。そのため、女性は男性以上に自分で判断する力が求められています。今までの基準を知らずに、やみくもに判断することはリスクが大きすぎます。
また、男性の間でも微妙に基準が異なります。男性のビジネスファッションについての知識があれば、キーとなる男性たちのファッションに対するスタンスが分かり、女性のファッションもどの範囲まで許されるか、あるいはどのようなスタンスが好まれるか、判断しやすくなるでしょう。
男性のビジネスファッションに関する本は多数出ているので、読みやすいものを選べばよいと思います。男性視線を押さえるためには著者は女性よりは男性、ビジネスの視点をきちんと押さえるためには若者向けより経験者向けの本が良いと思います。
ただ、時代は変わってきています。今まで男性の基準で動いてきたビジネスも、少しずつ女性の基準を取り入れるようになってきました。男性と全く同じでは、女性が会社に加わる意義が半減するとも言えます。ビジネスファッションでも、男性の基準を知った上で、女性のみに許されるアイテム(スカーフやジュエリーなど)で自分らしさを表現してはいかがでしょうか。
「型を身につけた人が型を破ることを『型破り』といい、型のない人が型を破ることを『形無し』という」。ある歌舞伎役者の言葉だそうです。あなたのビジネスファッションが『形無し』ではなく、『型破り=新しい型・価値の創造』となるために、このミニコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。
★ 関連記事
・ビジネスシーンでのスカーフの使い方例
→ ビジネスファッションのお役立ちアイテム|ETRO
・ビジネスシーンにふさわしいジュエリーについては、別ブログで深く検討しています。
→ ビジネスシーン・ジュエリーのコラム一覧
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ある程度のキャリアを積むと、身近で参考になる立場の女性が少なくなってきます。しかも、女性社員の扱いに慣れていない日本の男性上司・同僚は、女性のビジネスファッションをおかしいと思っても口に出さないことが多いようです。私も、ずっと後になって元上司の本音をたまたま聞き、「その時ちゃんと言って欲しかった」と思ったことがありました。誰も何も言わないからといって、周囲がそのファッションを認めているとは限らないのです。ならば、どのように知識を習得すれば良いのでしょうか。
私も、困りながら少しずつ情報を集めました。このミニコラムでは、私がビジネスファッションを考える上で参考になった情報をご紹介いたします。
1.ビジネスとプライベートのファッションは何が違うのか
女性誌のビジネスファッションの特集を見て、「これはとても会社に着ていけない」と思ったことはありませんか。女性にとってファッションで最も大切なことは「自分をいかに魅力的に見せるか」であり、それ以外の目的を考えることは非常に難しいものです。女性誌もその視点でコーディネートを考えています。しかし、ビジネスファッションの目的はプライベートのファッションとは全く異なります。私もそうでしたが、そのことになかなか気がつかない女性は意外に多いと思います。
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この本によれば、男性にとってビジネスで着る服はチームであることを示すユニフォームなのだそうです。あなたがユニフォームと思われる服装をしなければ、男性からチームの一員と見てもらえないかもしれない。ビジネスはチームゲームなのだから、そうなると不利になる、というのです。
そういうファッションはつまらないと感じる女性も多いでしょう。それに対してこの本は、「あなたのセンスとチームのユニフォーム双方を満たせるお洒落をみつけよう。」と述べています。ビジネスファッションに必要なのは、自分中心の視点と社会的視点の両方のバランスを上手く取ることなのです。そして、自分中心の視点(センス)が欠けるより社会的視点が欠けるほうが、会社での評価は低くなるケースが圧倒的に多いでしょう。このことは充分理解しておく必要があります。
2.認められるためのビジネスファッションとは
では、具体的にはどのようなビジネスファッションが良いのでしょうか。最近では女性のビジネスファッションの本も少しずつ出版されるようになりましたが、まずは出来るだけ堅実(保守的)な内容の本を読んだ方が良いと思います。男性(特にあなたを評価するポジションにいるような年齢の男性)はビジネスファッションでは堅実(保守的)を好むことが多いからです。
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内容も、服の揃え方、このような服ならこのような印象になる、このようなシーンにはこのようなコーディネートがふさわしい、など1つ1つはそれほど深くありませんが満遍なく説明されているので、一通り基本を押さえることができます。
もちろん、ビジネスファッションがユニフォームなら、チームによって好まれるユニフォームは違います。自分のチームにあわせたアレンジは必要になりますが、カジュアルなスタイルをランクアップさせるより、堅実なスタイルを崩すほうが簡単です。その点からも、まずは堅い内容の本を読むほうが効率的だと思います。
3.ビジネスファッションに自分らしさを加えるには
ビジネスファッションにそれなりに精通してくると、自分らしいセンスを加えたくなるのは、女性も男性も同じでしょう。単にチームに加わるのではなく、「特別な」メンバーとしてチームに加わりたいという気持ちです。
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また、男性の間でも微妙に基準が異なります。男性のビジネスファッションについての知識があれば、キーとなる男性たちのファッションに対するスタンスが分かり、女性のファッションもどの範囲まで許されるか、あるいはどのようなスタンスが好まれるか、判断しやすくなるでしょう。
男性のビジネスファッションに関する本は多数出ているので、読みやすいものを選べばよいと思います。男性視線を押さえるためには著者は女性よりは男性、ビジネスの視点をきちんと押さえるためには若者向けより経験者向けの本が良いと思います。
ただ、時代は変わってきています。今まで男性の基準で動いてきたビジネスも、少しずつ女性の基準を取り入れるようになってきました。男性と全く同じでは、女性が会社に加わる意義が半減するとも言えます。ビジネスファッションでも、男性の基準を知った上で、女性のみに許されるアイテム(スカーフやジュエリーなど)で自分らしさを表現してはいかがでしょうか。
「型を身につけた人が型を破ることを『型破り』といい、型のない人が型を破ることを『形無し』という」。ある歌舞伎役者の言葉だそうです。あなたのビジネスファッションが『形無し』ではなく、『型破り=新しい型・価値の創造』となるために、このミニコラムが少しでもお役に立てれば幸いです。
★ 関連記事
・ビジネスシーンでのスカーフの使い方例
→ ビジネスファッションのお役立ちアイテム|ETRO
・ビジネスシーンにふさわしいジュエリーについては、別ブログで深く検討しています。
→ ビジネスシーン・ジュエリーのコラム一覧


女性誌にはよく「仕事場でも大丈夫」というコーディネートが載っていますが、私にはとても大丈夫だとは思えませんでした(私の職場は、ごく一般的な職場だと思うのですが)。その理由は、プライベートファッションの延長線上にビジネスファッションを考えているからだと思います。私も長い時間をかけてようやく分かったことですが、プライベートとビジネスではファッションの意味が全く異なります。ビジネスファッションとは「その仕事にふさわしいセンスがあることを表現する手段」なのです。ビジネスで相手が気にすることは、あなたが「その仕事をやりとげられるか」であって、あなたがどれだけ美しいか、最先端の流行を知っているかなどにはほとんど興味がないでしょう。相手の要求にどれだけ的確に答えられるかは、ビジネスで非常に重要なポイントです。相手はまずファッションであなたのビジネスセンスをチェックするのです。
相手にファッションで「私はその仕事にふさわしいセンスを持っています」と語りかけるには、相手に通じる言葉で語りかける必要があります。ビジネスは長い間、男性中心の世界でした。そのため、男性のビジネスファッションのルールは(近年揺らいでいるとはいえ)確立されています。一方、女性がビジネスの世界で重要な役割を担うようになったのは残念ながらごく最近のため、女性のビジネスファッションのルールはかなり曖昧です。そのため、女性のビジネスファッションも男性のビジネスファッションに準じて考えられやすいことには注意する必要があるでしょう。特にポジションが上の人にはその傾向が強いため、女性も男性のビジネスファッションのルールを知らないのはリスクと言えるでしょう。
もちろん時代は変わってきていますので、今までの男性のビジネスファッションに囚われすぎるのもどうかと思います。ビジネスでも女性の感覚を大切にしない企業は生き残れないと言われるほどですので、これからはビジネスファッションにも女性の感覚を取り入れるべきでしょう。しかし、「型を身につけた人が型を破ることを『型破り』といい、型のない人が型を破ることを『形無し』という」との、ある歌舞伎役者の言葉があります。『型破り』=新しい価値を創造すること、『形無し』=崩れてみっともないさま、ということでしょう。型(伝統)とは先人の知恵であり、時代に即して変化させたいのであれば、型をきちんと知ることこそが近道だと言えるでしょう。
男性のビジネスファッションは、スーツ(背広)にシャツ・ネクタイが基本です。男性のスーツと同じ形状の女性用スーツのことをテーラード・スーツと呼びますが、女性の場合もテーラード・スーツ+シャツがどのようなビジネスシーンでも基本となります。まずはテーラード・スーツ+シャツのコーディネートになれる必要があるでしょう。しかし、テーラード・スーツ+シャツのコーディネートは就職活動の定番でもあります。就職活動をしている学生と同じコーディネートでは、「私は就職活動中の学生と同じ程度のビジネスセンスしか持っていません」と言っている様なものです。スーツやシャツの生地や仕立てなど質で差をつけるという方法もありますが、スーツもシャツも形や色がシンプルなので、それにも限界があります。男性の場合、それを補うためネクタイで変化をつけているのですが、女性がビジネスシーンでネクタイをすると違和感があります。
であれば、どうすればいいのでしょうか。私は、ストールとジュエリーを使うことにしました。これらは、男性がビジネスシーンで使うにはまだ違和感が強いものですが、女性が適度に使うならば違和感が少ないからです。ストールをスーツとシャツの間に少し見せて男性のネクタイと同じように色と柄で変化をつけ、日本のビジネスシーンでは男性が着けることはないジュエリーで質の高さを感じさせるようにしたのです(その詳細は、別ブログの「テーラード+シャツ|ビジネスシーンのジュエリーコーディネート」に記述しています)。ここで考えたことは、より自由度の高いシーンのコーディネートでも応用できます(応用についても、別ブログの「テーラード+カットソー|ビジネスシーンのジュエリーコーディネート」「テーラード+イタリアンカラー|ビジネスシーンのジュエリーコーディネート」で記述しています)。
現代はグローバル化の時代、あるいは、変革の時代とも言われます。それは、異なる価値がぶつかり合い、新しい価値を生み出したものが生き残るということでしょう。自分なりの価値を持たないものは他に取り込まれるだけですし、自分の価値だけにとらわれすぎると取り残されます。自分をしっかり持ちながらも、他人の良いところを見つけ受け入れるだけの柔軟性も備える、そのようなバランス感覚が高度なレベルで求められているのです。ビジネスファッションは「その仕事にふさわしいセンスがあることを表現する手段」ですから、ビジネスファッションにも高度なバランス感覚が求められます。求められるビジネスセンスは、業界・自社の特性・クライアントの特性・自分のポジションによっても変わるでしょう。ビジネスファッションを考えるということは、自分に必要なビジネスセンスを考えるということであり、表面的ではすまない奥の深い問題なのです。
